ローマに生きた、一人の男の物語おすすめ度
★★★★★
第73回(2000年度)アカデミー賞で
作品賞を受賞した、映画「グラディエーター」のノベライズ本です。
この映画が大好きで何度も何度も観返しましたが、
こちらの小説にも将軍マキシマスの
静かでかつ激しい人生がより詳しく描かれております。
映画のストーリーそのままを小説化したのではなく、
公開されていないシーンも多々あります。
ルッシラやコモドゥスの隠された心情も描かれております。
(こちらはDVD「Gladiator Extended Special Edition」3枚組の
追加シーンに重複しているように思います。是非ご覧になってみて下さい。)
古代の戦闘体制にも興味があったので、
マキシマス達の戦い方や武器の詳細な記述があったことは非常に興味深く思いました。
(少しネタバレです)
最終シーン、マキシマスとルッシラの間で交わされる
最後の言葉が小説にも描かれておりますが、
そのセリフに意味深いものがありドキリとしました。
深読みかもしれませんが、
二人の過去は本当にどうだったのだろうと胸が締め付けられました。
洋書の日本語訳のよく見られる「硬さ」は否めませんが、見事な世界が描かれております。
ローマ時代に生き、そして亡くなった一人の男性の物語であり、彼と共に生きた人々の物語でもあるでしょう。
今は入手が難しいかもしれませんが
こちらの本でもう一度、グラディエーターの世界を味わってみてはいかがでしょうか。
読み終わった後、また映画を観たくなります。
お勧めの一冊です。
映画も大ヒットおすすめ度
★★★★☆
アカデミー賞でも好成績を残し、かつ興業的にもヒットした大作「グラディエ
ーター」のノベライズ。
皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌスは著書『自省録』を残した哲学者
たる実在の皇帝。またその息子コモドゥスも実在の人物です。そこに、将軍
マキシマスを加え、史実とフィクションをうまいぐあいに織り合わせて「ベン
ハー」を彷彿とさせるスペクタクルを完成させています。
求める愛をすべてマキシマスに奪われたコモドゥスの屈折した性格が見もの
です。