落ちても落ちても這い上がるおすすめ度
★★★★★
ファーストシーンのあの音楽♪♪〜♪〜♪ あの音楽聴いただけで感動するね
この映画はレイジングブル(怒れる闘牛)と呼ばれた男の半生を描いたドラマです
この男は「市民ケーン」の男と似てますね 力はあるけど自らのエゴでどんどん孤立して行ってしまい
挙句の果てに刑務所に入れられちゃうんですね 怒れる闘牛と恐れられた男は刑務所でウヨウヨ泣きました。
男は夢を捨て太りに太ってしまい昔の姿は消えてしまいました けれどラストシーン男が鏡の前でパンチをするシーン
男は「もう一度やるぞ」と決心する 地の果てまで落ちてもまた一から始めようとする僕はこの映画から勇気を貰いましたよ
一人の信者もいない 神おすすめ度
★★★★★
航空機の機内で見たので DVDの評価としてではなく 映画についてということで 簡単に感想を述べたい。
冒頭タイトルバックのモノクロのシャドーボクシングが実に美しい。誰もいないリングの上で シャドーボクシングを続ける姿は ボクシングというスポーツの「孤独」を一瞬にして表現している。
この映画の太い縦糸は その「孤独さ」にある。主人公は 世界チャンピオンながら 人格的には破綻しているかのような アンチヒーローである。その背景にはボクシングというスポーツの持つ「孤独性」が もうべっとりと こびりついて離れない。主人公が戦っているのは その「孤独感」ではないかと考えてみると 主人公の破綻した行動も 「孤独に対するピュアーな戦い」ではないかと思えてくる。そう見ることで この映画 そして 主人公の持つ「聖性」が浮かびあがる。主人公は 一人の信者もいない神であると言っても良いのかもしれない。
ある ボクサーおすすめ度
★★★★★
モノクロで始まる冒頭シーンの不思議な静けさ。
賢明に生きる術を知らず落ちぶれ、愚かで無様と蔑まれてもなお、生きようとするジェイク・ラモッタの半生が、
いたく心に沁みて、底辺から湧き起こる様な勇気を得る事ができる。
最後に映し出される聖書の言葉が、ラモッタの魂を鎮めているように感じた。
“嫉妬深き怒れる牡牛”もしくは“チャンピオンベルトを巻いたコックサッカー”おすすめ度
★★★★★
試合を前にした1人のボクサーが、気持ちを高めようとしているのか、リング上でしきりに体を動かしている。リングを包む深い霧は、そこを取り囲んでいるはずの大勢の観客の姿を隠してしまい、最前列に陣取るカメラを持った記者たちの姿がかろうじて見える程度だ。どちらにしろリング上には男が1人だけ、いる。これは、実在のボクサー・ジェイク・ラモッタの自伝小説を基に作られたという本作の冒頭のシーンだ。そして、本作の‘すべて’を象徴するかのような至極のシーンでもある。‘すべて’とは、「ボクサーとしての栄光」それに「周囲が見えないことの恐怖」の、たった2つだ。
本作「レイジング・ブル」は世界ミドル級チャンピオンにもなったジェイク・ラモッタの栄光に固執することなく、むしろその逆にある至福とは言い難い彼の私生活に肉薄し、残酷なほど描ききる。その痛ましさに観ているこっちは、殴り殴られ最後にはガッツポーズをとっているリング上のラモッタにまで疑問を抱いてしまう。「彼は勝利を手にした今、この瞬間、幸せなのか?」さらには「なぜ彼はボクシングを続けるのか?」という、彼の人生の根本に及ぶまで、解からなくなってしまう。簡単に答えは出せない。というのも私生活の彼は目も当てられないくらいえげつないのだけど、リング上での彼は決してダウンを喫しない誇り高きヒーローなのだ。だから、かの「タクシー・ドライバー」に勝るとも劣らない、1人の男の“生”への大きな、しかも戦慄の‘?’が残った。
けれど、この原作をラモッタ自身が書いたということは、少なくとも本人の中で、ある程度の答えは出ているのだろう。自身の“生”を‘是’としたのか‘非’としたのか定かではない。“霧”の中にいる僕たちは、その向こう側で、かろうじて視界に入る1人の男を前に、ただ震えることしか出来ないのだ。
空前絶後の役者馬鹿おすすめ度
★★★★☆
スコセッシ、デニーロ、ペシの黄金トリオ第一作。
主演男優としてデニーロがはじめてオスカーを受賞した作品でもある。役作りに対して病的なまでに執着するデニーロの頂点に位置する作品だろう。青年(研ぎ澄まされた肉体のボクサー)から初老(醜いまでに太りきったコメディアン)までの体重差は30kgにも及ぶという。確認は取れていないが、その二重と大きすぎる鼻も手術によるものだろう。あまりにもデニーロが凄すぎて、スコセッシも主人公のモデルとなったジェイク・ラモッタも霞むほど。主演映画の出来としては突出してるわけではないので☆は4つ。だけどデニーロ個人にはもちろん5つ。
概要
ロバート・デ・ニーロとマーティン・スコセッシ監督の強力コンビが、ボクシングをとおして描いた骨太の人間ドラマ。
サウス・ブロンクスのスラム街からはいだして、49年から51年まで世界ミドル級チャンピオンとして君臨したジェイク・ラモッタの栄光と、いやらしいまでの疑心がもたらすその後の虚栄の半生を、光と影を鮮烈に反映させたモノクロ映像でとらえていく。
デ・ニーロはこの作品のために、医者の指示を仰ぎながら体重を30キロ増減させるという驚異的熱演を示し、アカデミー賞主演男優賞を受賞(ほか編集賞も受賞)。
またボクシングの試合シーンも、本当に殴り合い血と汗が飛び散っていくところをスローモーションでとらえることで、人間のもつ暴力性や悲劇性が見事に描き出されている一方、舞うがごとく闘う人間の美を痛感させてくれる傑作。(的田也寸志)