概要
ロバート・デ・ニーロとマーティン・スコセッシ監督の強力コンビが、ボクシングをとおして描いた骨太の人間ドラマ。 サウス・ブロンクスのスラム街からはいだして、49年から51年まで世界ミドル級チャンピオンとして君臨したジェイク・ラモッタの栄光と、いやらしいまでの疑心がもたらすその後の虚栄の半生を、光と影を鮮烈に反映させたモノクロ映像でとらえていく。 デ・ニーロはこの作品のために、医者の指示を仰ぎながら体重を30キロ増減させるという驚異的熱演を示し、アカデミー賞主演男優賞を受賞(ほか編集賞も受賞)。 またボクシングの試合シーンも、本当に殴り合い血と汗が飛び散っていくところをスローモーションでとらえることで、人間のもつ暴力性や悲劇性が見事に描き出されている一方、舞うがごとく闘う人間の美を痛感させてくれる傑作。(的田也寸志)
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