鮮烈なボクシング人生おすすめ度
★★★★★
レイジングブルの異名をもつジェーク・ラモッタ(ロバート・デ・ニーロ)のボクサー人生を描いた渾身の力作。ロッキーのようなヒーロー物語ではなく、ハングリー精神でミドル級のチャンピオンをつかみ、しかし自分をもまわりの人間をも傷つけていく、人間的な欠点の多い男の姿を甘さを排して描いていく。
ジェークは引退して場末の酒場を買い取るが、彼は人間的には未熟なままで、客に対しても粗暴な振る舞いがやまない。未成年の少女に酒を飲ませた罪の釈放金の1万ドルを工面するために、チャンピオンベルトの宝石を手放す。妻は子どもをつれて出て行く。友人は少なく弟のジョーイ(ジョー・ペシ)にも愛想尽かしをされる。
リアリティに富むアンチ・ヒーロー映画で、ジョーイとのスパーリングや試合の場面もすばらしく、八百長試合をめぐるボスとの確執や禁欲生活等をおりまぜて、あるがままを描いた。ジェークの暴力についても言い訳はしない。教訓めいた話はない。ラストシーンはぐっとくる。
ロバート・デ・ニロがボクサーだ、こんな生々しい映像初めて。
おすすめ度 ★★★★★
この映画は『ロッキー』の原点そのもの。
ロバート・デ・ニロ の若い肉体が見える。
ロバート・デ・ニロのファンは必見。
アメリカにおけるイタリア人の居住地は、豊かではない。そこで生活している主人公、彼はチャンピオンをめざす。だが、ボクシングをとりしきり、時に八百長を強要する親分衆がいる。
ボクシング場面は、白黒、ドキュメントタッチで生々しい。
妻への嫉妬妄想に苦しむチャンピオンは痛々しい。チャンピオンをおりた主人公は異なる世界で生きていく。
やせたり、太ったり、役者というのはこんなに肉体を酷使する仕事かとあらためて感動。
主人公は真面目な生活をいとなみ、ストイックな生き方をしている。
イタリア人で現実に生きている主人公を敬愛してしまう。