何回も読んじゃうおすすめ度
★★★★☆
美しくて孤独ではかなくて…ナルシシズムに惹かれる感情をよく理解しています。「好きなあの人と輪廻で結ばれていたなら…。」ってわけでもなく残酷の非情さと優越感が交差し、ショック大のラストにア然としました。遺るのはせつなさだけじゃない、何か重要なことをおいてきたんじゃないかと何回も読んでしまいました。読み直すうちにキーワードがそこここにあって納得。ただ、まとまりのなさと表現の浅さが気になるのが残念です。
衝撃が膨張する
おすすめ度 ★★★★★
上下巻を二日に分けて読んだ。練りに練られた話で、読み終わったとき謎が解けてそれなりに衝撃も残った。とりあえず一通り一回読んである程度話の筋はわかったのだが、「衝撃」の中身が自分の中で引っかかってしまい(何にびっくりしたのか自分でよくわからないので)それを知りたいと二回三回と読んでいくうち、細かな内容も頭に入るようになってくる。段々衝撃は大きくなっていく。普通ミステリーとかの最後に謎が解ける話は何度か読むうちに謎が解けたときの衝撃は薄れていくように思うがこれは逆。読んだだけ衝撃が残る。読んだだけ衝撃が増える。膨張する。
後日談が勝手に頭に浮かぶようで、絶対に像を結ばない。一度読んで読み捨てる本ではないと思う。繰り返し読んでその度に衝撃が膨張していく。色あせない。