高機能自閉症〜大人の為の生活アイデア本〜おすすめ度
★★★★★
泉流星さんの本に出会ったのは「地球生まれの異星人」だった。
当事者が書いた本の中では一番読みやすく、理解・共感できた一冊だった。
その後、「僕の妻はエイリアン」も読ませて頂いた。
この本は私の夫にとって、共感と理解に繋がった本だった。
今回の「エイリアンの地球ライフ」も含め、異星人シリーズを読んで
強く感じたのは、当事者の人も当事者と関わっている身近な人も
高機能自閉症に興味のある人にも、理解しやすく客観的に
出来事を捉えられる部分が多いところだろう。
「地球生まれの異星人」は、当事者にとって自分を客観的に捉えて
振り返る事ができる一冊。
「僕の妻は異星人」は、当事者と身近な関係者との架け橋の
お手伝いをしてくれる一冊。
「エイリアンの地球ライフ」は、当事者&関係者にとって
生活の知恵が散りばめられている一冊。
「どうにかこうにかでも、前に進んでいたい。」
「転んでもタダでは起きんぞー!」
という 諦めない事で進化をしてきた人だと感じた。
勿論、その前後の谷底の時期も含めだ。
何もかもがうまくいってない。 孤独感に苛まれている。
夫婦喧嘩が絶えない。 2次障害が辛い。
そんな中でも諦めないで、自分の人生をより豊かにするため、
進化したい人にはお勧めです。
異星人応援歌おすすめ度
★★★★☆
コミュニケーションの基本は会話である。普通の会話の中で、膨大な情報がやり取りされている。言葉以外に、目や顔つき、身振りも情報であり、意識する・しないに関わらず互いに送受信しているのだ。
この本では「自閉系」と表現しているが、アスペルガー症候群という障害を持つ人がいる。言語や知的障害は軽微だが、社会的コミュニケーションが困難なのだ。会話で、言葉以外の情報を把握できないという。言葉についても、裏の意味や比喩を理解することが難しいのだ。一般に予期せぬ出来事への対応が苦手で、脳の一部に障害があることが原因と考えられている。個人差が大きいようだが、自閉系の人は数%のオーダーで存在するという。
本書は一般の人々に、自閉系の存在を伝えている。周囲の理解と配慮があれば、彼らはずっと暮らしやすくなるのである。また、自閉系の人々に著者が工夫してきたノウハウを提供している。
改めてヒトという動物の成り立ち、コミュニケーションの仕組みを考えさせてくれる本でもある。
著者のこれまでの努力に敬意を表するとともに、社会における居場所確保を応援したいと思う。
本書はややおとなしくなったと感じるが、前著「僕の妻はエイリアン」(新潮社)では、障害が判明するまでの経緯と夫婦関係の修復を、勢いよく描いている。その前の「地球生まれの異星人」(花風社)は著者の半生をつづっている。これらの本を通じて、勇気を得た自閉系の人々は多かったに違いない。併せて読まれることをおすすめしたい。
前著 '僕の妻はエイリアン' への質問に答える内容
おすすめ度 ★★★★☆
'僕の妻はエイリアン' は名著であっただけに,多数の読者からさまざまな質問が寄せられた.それにいちいち答えるよりは前著への補足として一冊の本を用意した方が便利と言うことでこの本が出来たと思われる.私にも自閉系の傾向は僅かながらあるので,前著から約5年後の著者の様子を知りたくて買ったのだが,その面では満足のゆく内容ではなかった.とは言っても,世にこの種の悩みを背負って生きている人は少なくないのだから,その人たちにとっては役に立つだろうと思う.