どちらの話もおもしろかったが、特に七生と七子の7's bloodがおもしろかった。七子の父親が浮気してできた七生が突然七子の家に転がり込むのだが、七子は子供らしくない要領がいい七生に苛々して心を開けないでいる。そんな二人が誕生日プレゼントの腐ったケーキをきっかけに仲良くなり、かけがえのない家族となっていくのだが、七子を中心に描くそれらのやり取りがとても繊細に描かれていた。特に最後にお互いの髪を切りあうのは感動的だった。二人がここで家族として一緒に過ごしていたという想い出を記憶に刻みこんでおくためだと思うが、よくこんなことを考え付くものだと思う。
素直におすすめ度
★★★★★
七子と七生。
話が進むに連れて、二人から紡ぎ出されるストーリーからは確かな絆を感じられて。
本当に温かく、そしてせつなくて、愛おしくて。
共感できるとかいう類のものではなく、そう感情移入しちゃってたんだろうなと。
最後の1Pの結末も読む前に七子がそうするんだろうなって、唐突にわかったのはそのせいだと思いますね。
予測とかではなく、そうする姿が見えたというか。
こんな感覚に襲われた作品は今までなかったです。
ただ今はこの本に出会えてよかったなと素直に思いますね。
血を超えた温かさに包まれて・・・
おすすめ度 ★★★★★
なんて優しい物語なんだろう。
「家族」って、
世間一般に思われているような血のつながりが重要なのではない。
どれほどの愛情で包んであげられるか・・・。
それが絆を深めるのだな、としみじみ感じました。
2つの物語、どちらの母親も素晴らしい。
特に「7`s blood」で母親がなぜ七生を引き取ったのか・・・
それに七子が気づいたとき、
大きなあたたかさに包まれて胸がいっぱいになりました。
どちらの物語でも「食」の場面が多い。
食という角度から絆や団欒を描くのはよくあることなんだけど、
たまらない温もりを感じます(^_^)