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天国はまだ遠く (新潮文庫)

瀬尾 まいこ
おすすめ度:★★★★★
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さるきちの居場所って。。
おすすめ度 ★★★★☆

すべてを投げ出して

どこか遠くに行ってしまいたい


なーんて、
思う時はありませんか??

さるきちは夕方になると
そんな思いに駆られます。

だって、夕飯の支度って面倒なんだもの。ハハ。


さて、

うつの状態が長引くと、


“どこか遠く”=死


という発想に至ることがあります。

なぜなら、
すべてを投げ出すコトができないから。

そんな思いきりがあったら、
うつなんかになってないわけです。

うつの波に呑まれちゃった
真面目で律儀なヒトが取れる手段は、


自分自身を投げ出すコトなのです。


この小説の主人公、千鶴も
死を覚悟したひとり。

千鶴は、死に場所を求め、
北へ、北へと山奥を突き進む。

ぽつんと現れた民宿。

彼女はそこで一泊し、
大量の睡眠薬を飲み
布団に入る。


終わった


と思ったら・・・翌朝。


死んでないやんけーっっ


しかも、熟睡できたためか
頭も身体もスッキリ。 。


そして、その日から
自然に囲まれた民宿での
生活が始まる。


千鶴は保険の営業をしてたのね。
でも契約が取れなくて、
ノルマに追われる日々。

職場の人間関係もうまくいかず、
いるだけで緊張してしまう。

不眠、疲労、食欲不振。
身体に現れる不調。

そのうち、
日常の些細なコトが
ココロに大きなダメージとなる。


さるきち、なんだか想像できます。

フツーのヒトであれば
何でもないコトなのにね。

シャワーのお湯ですら、
ストッキングの伝線ですら、
その身をちくちく刺すのよね。


民宿の経営者、田村さんは言う。

「会社休んで、気分転換すればよかったのに」

契約も取れてないのに休みを取る勇気も、
どこかに行く思いきりもなかったの


「仕事辞めればよかったのに」

言い出せなかった
無責任ってののしられるのが怖かったのかも


そう。
すべてにおいて、板挟み。

そしてたどり着く先が、死。


「俺、釣りに行って一匹も釣れへんこと
しょっちゅうあるけど、死のうと思ったことは
今まで一度もないなあ」

田村さんの、のほほんっぷりと
有機野菜や新米、そば打ち、
釣りや鶏小屋掃除、、

起きて、散歩して、食べて、寝る

そんな生活の中で、

千鶴は、自らを振り返り、
そして自分の居場所について
考えを巡らせていく。


星空の元、酔っ払って
道路に寝っ転び、
吉幾三の歌を熱唱する千鶴。


ここにはたくさんの星、
たくさんの木、山に海に風がある。

それに、隣には田村さんもいる。
今、私はたくさんのすてきなものに囲まれている。

でも、寂しかった。
すてきなものがいくらたくさんあっても、
ここには自分の居場所がない。
するべきことがここにはない。
だから悲しかった。

きっと私は自分のいるべき場所から
うんと離れてしまったのだ。


一度は死を覚悟した女性が
新たな道を歩み出すまでの
ココロの動きが、

季節の移ろいとともに
ゆっくりと柔らかく描かれています。

さるきちは山奥の実家に帰省中にだったためか、
まるで自分の田舎村の一風景のように
感じながら読んだのでした。

ココロがほんのり安らぐ一冊です。



心が和む物語
おすすめ度 ★★★★☆

山奥で一人で民宿をやっている田村の素朴な優しさと関西弁がマッチしていて、読んでいて心が和んだ。ずっと民宿にいることができれば、おいしい食事や美しい自然があり幸せなのかもしれないが、心を休めるには最適な場所であってもそれが日常になるときっと物足りなさを感じてしまう。それに気付いただけでも主人公は民宿に行った甲斐があったのだと思う。



生きるのに疲れたとき
おすすめ度 ★★★★★

淡々と綴られる言葉の中にスッと引き込まれ一気に読んでしまいました。

『もう死のう』と思ったうら若き女性が、たまたま滞在することになった民宿で、大自然と民宿の経営者と淡々と過ごす時間の中で、次第に癒されていくお話です。

死を思うときの心情の描写が秀逸だと思います。
思わず涙がこぼれてしましました。

人は生きていると、たまには『疲れちゃったな・・・』と思うときもあると思いますが、そんな鬱々とした気分を抱えている方に、是非読んで頂きたいと思いました。

私はこの本から元気をもらいました。
続編も読みたいくらいです(笑)


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