列車の橋ごと爆破は、既に南北戦争を題材にサイレントの時代にB・キートンがやっている。この映画一般には雪舟とギネスの男のドラマといわれている。が実際はそうではない。ましてやクワイ河を舞台にしたジャングルの映画では毛頭ない。D・リーンの真意は他にある。ジャングルの熱気に紺碧の海の清涼感を不意に導入すること、むさ苦しい男の映画にブロンドを定着させることに頑ななまでに固執したこと。そのために、特異なキャラクターであるW・ホールデンを起用した。W・ホールデンが作中ブロンド美人と海で戯れる場面を思い出していただきたい。これは物語上の必然ではない。従って何かの間違い程度に見過ごされるが、D・リーンの中では推測だが、映画はここで終わっている。真のストーリーは、一人の伊達男がいかにジャングルから脱出し海辺まで辿り着いたか、である。この倒錯した作風を隠蔽するためにリアリズム作家を演じているに過ぎない。このことを映画史は誇りにすべきである。
“Be Happy in your Work”おすすめ度
★★★★★
This is one of those movies worth re-watching. All the things you expect from the British when they are captured by the Japanese and forced to build a bridge.
This movie was shot in Sri Lanka as it best fit the story. However the real river was not the Kwai. That just happened to be a better name for the river. And the real bridge was not wooden.
My favorite character was William Holden as Shears, The only pragmatic charter in the movie. Shears did not have to keep a stiff upper lip or save face or any of that sort of stuff. Where as Alec Guinness as Colonel Nicholson and Sessue Hayakawa as Colonel Saito, had to go face to face with each other's interpretation of honor.
This is best depicted in one statement from Shears:
"You make me sick with your heroics. There's a stench of death about you. You carry it in your pack like the plague. Explosives and L-pills -- they go well together, don't they? And with you it's just one thing or the other: destroy a bridge or destroy yourself. This is just a game, this war! You and Colonel Nicholson, you're two of a kind, crazy with courage. For what? How to die like a gentleman... how to die by the rules... when the only important thing is how to live like a human being."
D・リーン監督の見事な手腕おすすめ度
★★★★☆
57年公開のD・リーン監督のこれまた有名な映画である。本作も多数のアカデミー賞を受賞した作品ということで、息を呑んで拝見することにしました。
やはり、すごい。そのスケールというか、迫力、スペクタクル・・・、そして可笑しくも哀れなストーリー。第二次世界大戦中、タイとビルマの国境付近の日本軍捕虜収容所で、英軍指揮官のA・ギネスを捕虜にした所長の早川雪洲は、捕虜たちにクワイ川の鉄道敷設工事を依頼するが、国際法違反だとして譲らないギネスを営倉に監禁する。だが、早川としてはお国のためになんとしても鉄道計画を着手したいため、さまざまな手段を講じてギネスを説得するよう企てるが二人の心は平行線を辿る。何日も拷問に耐えるギネスの思わぬ根性にやがて武士道を感じた早川は、再び誠意を持って協力を依頼。ギネスも早川の愛国心に騎士道を感じ工事を引き受ける(ここが断然面白い)。しかし、そんなことはお構いなしに途中で脱走を果たしたヤンキー魂の米兵W・ホールデンは自軍に辿り着き安堵したが、逆に計画中の橋を爆破するように上官に命じられて泣く泣く引き返す破目に・・・(ここも面白い)。
ラストは云わぬが華だが、面白い、エンターテインメント溢れる作品で、特にイギリス人監督は、世界各国を割り込ませた戦争映画が上手だな、と思いました。『クワイ河のマーチ』も印象的でした。
クワイ川のマーチが耳に残りますおすすめ度
★★★★☆
原作者のピエール・ブルームは、戦時中にわざと旧日本軍に捕まった経験からこの作品を書き上げたらしいですが、自分の経験とは全く違う日本人像に書いてしまった為に映画のヒットとは反対にひどく気を揉んでいたそうです。
その後どうにか当時味わった屈辱を晴らそうと、日本人を猿に置き換えた「猿の惑星」や米ソに先駆け月に行った日本人が、帰ることが出来なくなり、月の上で切腹するといった作品も書き上げています。
<SUPERBIT>バージョンとして発売される今、様々な角度からもう一度見直してみるのもいいかも知れません。
概要
舞台は第2次世界大戦下のビルマ戦線における日本軍による連合軍捕虜収容所。捕虜たちは日本軍の架橋建設工事に従事することになり、その技術をもつイギリス軍将校(アレック・ギネス)は日本軍将校(早川雪州)に反発しながらも、あくまで自らのプライドをもって事にあたり、やがて橋は完成するが…。
『アラビアのロレンス』などの巨匠デヴィッド・リーン監督が、異文化の衝突の中で紡ぎ出される人間のプライドと、すべてを無にしてしまう戦争の愚かしさを両立して描き上げた戦争映画の傑作。アカデミー賞作品賞など7部門を受賞している。主題曲『クワイ河マーチ』も大ヒットした。後に捕虜たちのその後の数奇な行方をつづった続編『クワイ河からの生還 戦場にかける橋2』も製作されている。(的田也寸志)