ドタバタかと思いきやおすすめ度
★★★☆☆
5台の(5色の)携帯電話を使い分けて、5人の恋人を持つ女性が主人公……ということでもっとドタバタしたものかと思っていたのですが、なかなかどうしてしっかりした本です。
恋人たちはそれぞれが本の主人公になれそうなほどに個性的で、それぞれ今どきの問題を抱えていたりする。
盛りだくさんな内容がぎっしり詰まった、飽きることなく一気の読める本です。
誰が主役を張るのか?おすすめ度
★★★★☆
すでに映画権が買われているというこの本。
誰が「チート」役なのかしらん…と気になる今日この頃。
タクシー運転手が主人公なのでロンドンに詳しい人なら懐かしいでしょうねぇ。私もすぐにも行きたくなっちゃった。
あっという間に読んじゃいました。
軽快に進むスリリングなストーリー!!!おすすめ度
★★★★★
私はこの本、なんと一晩で読破してしまいました。恋人が5人もいるなか、うまーくやってるなぁと関心したのもつかの間、1人の男によって徐々にその生活が崩れだすところが、非常に面白い。それも単なる恋だけではなく様々な要因がからんできます。話は軽快にとてもスリリングな方へと進んでいき、読むものを飽きさせません。イギリスで大好評だったこの作品をぜひ読んでみてください。
概要
黒塗りの愛車を自在に操り、ロンドンの夜を走るタクシー運転手のチートは、5台の携帯電話で5人の恋人と連絡を取り合い、気分次第でデートする自由な日々を送っていた。そんな彼女の前に、乗客として現れた紳士トウィンクル。謎の男との出会いから奇妙な事態に巻き込まれていく主人公を描き、本国イギリスで話題を集めた、ミステリアスな恋愛小説である。 脇を固めるのは、子持ちのリチャード、ダンサー志望のジョエル、チンピラだが育ちのよいステフ、ミュージシャン崩れであるジョニー、そして唯一の女性でレズビアンのエイミー。年齢も職業も違う5人の恋人たちは、5色の携帯電話と同じく、それぞれの色がうまく書き分けられている。そして何より魅力的なのは、危険な仕事にも「あたしの手に負えない面倒なんてないわ」と、女手ひとつで日当を稼ぐ主人公チートだ。数々のトラブルにもめげない彼女の人物像は、そのまま本書の個性となっている。
混沌とした物語の展開を助けるのは、女友だちウィニーの「金言」である。たとえば人生をパッチワークのキルトに見立て、「どの端切れにも複雑な模様が描かれ、他の端切れとはつながりがないように見えるが、その後ろには、綿密に練られた図案が隠されている」というセリフは、この小説自体を暗示したものだ。チートのバラバラに分裂していた日常は、トウィンクルの出現によって1本の線につながり、同時にその不安定な心理状態も解き明かされていく。謎めいた断片だけでなく全体を見渡してみると、本書からは、ひとりの女性の人生模様がくっきりと浮かんでくることに気づくだろう。(砂塚洋美)