概要
武器輸出の汚職に巻き込まれた永山(夏木勲)は、北海道で主人主人とはぐれてしまった紀州犬ゴロと共に逃亡の旅を続けるが、妻が殺し屋(地井武男)に殺害されたと知り、復讐を決意して東京へ向かう。一方、安高刑事(鶴田浩二)とゴロの主人の妻(島田陽子)もゴロの足取りを追うが……。 西村寿行の同名小説を原作に、松竹青春映画の雄・山根成之監督が手掛けたハードボイルド・アクション映画。奇抜かつご都合主義のめだつ設定が矢継ぎ早に現れたり、また山根監督の演出にも慣れないアクションゆえか乱れは多いが、そうしたキテレツな部分を踏まえつつも、登場人物すべての想いが1匹の犬へと集約されていく過程はきちんと描かれており、憎めない作品となっている。キャストの顔ぶれも豪華だが、特に地井武男の冷酷残忍な殺し屋が絶品で、彼を見るだけでもこの映画に接する価値あり。また名優・鶴田浩二は、これが最後の主演映画となった。(的田也寸志)
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