有機が苦手な人には最適おすすめ度
★★★★★
Doシリーズの無機編は理論を終えた人なら誰にでもお勧めできる万能型の本ですが、本書は特に初心者にお勧めできる良書だと思います。
教科書にある有機化合物とは大体顔見知りだけど、何と何が反応して何ができるのか、どの触媒を使えばいいのか、どの方法で検出すればいいのかという、入試でよく問われる知識がまだ十分に定着していない人にお勧めです。
入試で狙われるポイントに絞って詳しく解説されていて、問題数もそんなに多くなく難しい問題も殆ど無いので、初心者向けだといえます。収録されている入試問題は全部で32題でそのうち25題が化学Tの範囲です(他には簡単な例題が沢山あります)。
化学Tの有機の基本事項や反応系統図が纏まった冊子がついていて、センター前に重宝しそうです。
本書を終えた後は同じ旺文社の標準問題精講などでレベルの高い問題を演習すれば有機はばっちりです。
ちなみに標準問題精講と本書は著者が同じなので使い勝手が良いかと思います。
惜しいおすすめ度
★★★★☆
教科書では暗記と片付けられるところも電気陰性度やπ結合の性質から深く説明しているように思います。 しかし、それらを用いて説明するには紙面上の都合等もあるのでしょうが少し無理がある気がします。根本的な部分の説明がないので結局暗記になるのでは。そういった意味で石川氏の参考書を越えられていません。折角電気陰性度まで用いているのに、惜しいなぁというのが正直なところ。 まぁ巷に溢れる有機化合物フローを整理しただけの参考書よりは遥かに良いとは思います。
お薦めおすすめ度
★★★★☆
有機化学の中の参考書では良書と感じる。というのは、説明が非常に丁寧でわかりやすい。なかでも、理解の度合いを図るために高校範囲を超えての説明を施されている(高校範囲を超えているところを必ずやらないと、次のところに行けないわけではない。あくまで、理解を深めることが目標なのだろう)。よって、この本は暗記というよりも、理解する作業のほうが多い木がする。しかし、理解するのに化学Uの範囲も含むので、化学Uの教科書を一通り読んでおくことを勧める(完璧に理解しなくてもいいです。かじるだけで十分。その中でも一番力を入れてほしいところは「ルシャトリエ」です。)。
ただ、私が感じたのは「初学者や文系の人にとっては、少し難しいのではないか」という点である。だから、先ほどにも述べたように教科書を読んでおくことを勧める。
Do有機待望の改訂版
おすすめ度 ★★★★★
大学受験の有機化学は、まず本書。
それから問題演習として駿台文庫「有機化学演習」、旺文社「標準問題精講」、志望大学の過去問で十分です。
あとは必要ないです。
へたな予備校の有機化学の講習も受けなくて大丈夫です。
本書は有機化学における反応を化学1,2の理論化学の範囲で登場する内容で説明されていて小難しい表現は少ないので、
そこさえ既習であれば理解は十分可能です。
(本書が理解できない場合は別の有機の本ではなく理論化学をやり直してから読んだ方がいいと思います)
さらに本書には試験時における知識のアウトプットに一役も二役も買ってくれる大変利用価値の高い付録がついています。
理解本としてだけでなく知識整理本としての完成度も高い本です。
私は大学で現在有機化学の講義を受けていますが本書で学んだことがあれば、
ちょっとしたお約束を知るだけですんなり理解できるのでそういう点でも役に立っています。