映像美で描く、征服者と先住民の壮大な物語おすすめ度
★★★★☆
土埃を巻き上げて大草原を疾走するバッファローの群れ、妬ましいほどに広大なアメリカの大地、
大自然と融け合ったアメリカン・ネイティブの暮らし、これらをカメラは雄大に追う。
アメリカのデビット・リーン?その称号を贈りたくなるケビン・コスナー(監督、主演)の見事な映像センスである。
訳もなく突然襲ってくるアプリオリな悪としてのインディアン、バタバタ無造作に撃ち殺されるべき対象としてのインディアン、
そんな設定が当たり前だったクラシカル・ウェスターンの時代は去り、撃たれる側から描かれたワイルド・ウェスト、である。
近代における世界各地での先住民の悲劇は、永遠に解消されない歴史の傷跡である。
この何人も支えきれない大きな問題を、たかだか映画一本で解決していないからといって、
本作を非難する向きもあるが、それよりはいささかでもの進歩を評価すべきであろう。
ケビン・コスナー自身、アメリカン・ネイティブの血を引いていて、それを誇りとしているという。
この映画は、まさに彼にしか出来ない、彼のための作品なのかも知れない。見事な大作である。
賞を獲ったからといって面白いとは限らないおすすめ度
★★★☆☆
悪くはないが、大した賞を貰ったからといって期待して見ないほうが良い。 「アカデミー賞ってこの程度のものか?」と思った。
大そうな賞を獲った分,評価は辛くなる。普通に見れば星四つかもしれないが,大そうな賞を獲ったわりには「これだけ?」と落胆した。過大な期待をして観ないほうがよい。
これはインディアンに対する同情以外,大して心動かされる作品ではない。故にドキュメンタリー番組ならばそれでも良いのだが,これは人の心を動かす映画のはずだ。単なるドキュメンタリー映画では困る。「アカデミー賞総ナメするほどのものか?」と思った。あれはアメリカの自責の念(インディアンに対する反省とか同情)から栄冠を取ったのだろうか?話としては,ノンフィクション・ムービーとしてならマルだろうが,心に触れる映画としてはコミカルに楽しめないのは分かるとしても,シリアスにも楽しめないとなると如何なものか。単なる「反省」「同情」で終わってしまっている。
西部開拓を目指すアメリカ人が主人公で,現地人のインディアンを侵蝕していく話。その過程で主人公がインディアンに同情し,ついて行く話。嘗ての仲間をあざけ笑う者。逆に心配する者など…ま,一種の「アメリカの裏側」を描いたもの。話は壮大で画も綺麗。
しかしあまりシリアスに楽しめる・感心するような作品ではなかった。あれほど賞を総ナメするほどのだから…と過大な期待をして見ないほうが良いだろう。
「蹴る鳥」の彼が良い!!おすすめ度
★★★★☆
この映画は長い。
でも長さを感じない。
ケビンコスナーの他の自己美化作品には無い良さがある。
北軍中尉(ケビンコスナー)とインデァンとの徐々に交流する姿が
描かれているが、背景の自然がすばらしいし、
丁寧に進んでいくストーリーに引きこまれます。
特にいいのが「蹴る鳥」を演じるグレアムグリーン氏。
素朴で味があり存在感がある。
時間があるときに、じっくりと堪能して欲しい作品です。
え!ホントにK.コスナーが監督?
おすすめ度 ★★★★☆
だって、かなり良い映画なんです。 何故って、他の作品とは全然違って素晴らしいんですよ。
とっても切なくて、じいんと来てしまいます。
概要
人気スター、ケヴィン・コスナーの第1回監督主演作品で、アカデミー賞作品、監督、脚本、音楽賞など7部門を制覇、またベルリン映画祭でも銀熊賞を受賞したスペクタクル西部史劇。
南北戦争で英雄となった北軍中尉ジョン(K・コスナー)は、戦後フロンティアを夢見てダコタ最西部の砦に赴任し、ネイティヴ・アメリカンのスー族と親しくなり、やがて彼らから「狼と踊る男」と称されるようになる…。
白人側からではなく、あくまでもネイティヴの側からアメリカ史を見つめつつ、西部劇ならではの景観とスペクタクル性を同居させた、堂々たる一大エンタテインメント大作に仕上がっているのは、やはり映画人コスナーの真摯な姿勢ゆえだろう。スー族の「蹴る鳥」に扮したグレアム・グリーンが素晴らしい演技を見せる。(的田也寸志)