日本クラウンの復刻盤シリーズのアニメ&特撮主題歌編。この時代のTV番組主題歌は各社が同じ歌手を使って別々に録音してたりするので、逆にマニアの方は要チェックでしょう。クラウン特有の深いエコーと硬質なパキッとした音で別テイクが聞ける本作はかなり聞き応えがありますよ。山田太郎が珍しくノリノリで歌う「戦え!オスパー」はエレキ歌謡の隠れた傑作だし、美樹克彦の「紅三四郎」(カラオケ化熱望!)「男の荒野」もたまらない。それと佐々木梨里の歌う「魔神バンダー」が素晴らしくカッコいい。他の主題歌と違ってお子様合唱団や男性コーラスのお行儀よい歌ではなく、声が裏返っても音程がはずれても勢いとテンションだけで突っ走る彼女のVo.にたまらなく「ロック」を感じてしまう。エレキ歌謡好きな方には同シリーズの「青春歌謡ゴーゴー」の2枚もオススメ!
「紅三四郎」を手軽に手に入れるためのアルバムおすすめ度
★★★☆☆
はっきり言って半分はクラウン関連のカバーバージョンだ(テイチクのクロニクルほどじゃないけど)。本物至上主義の人はやめた方がいい。
が、このアルバムの価値は終わり2曲、美樹克彦の「紅三四郎」「男の紅野」に尽きる。ご存じの通り、この2曲がアニメ「紅三四郎」の初代主題歌で、のちにミッチ(堀江美都子)の歌う「紅三四郎」(同名異曲、しかもミッチ個人のデビュー曲にして、超名曲)に取って代わられちゃたのだ。しかし、美樹克彦バージョンが悪いわけではない。むしろ、後期青春歌謡の味わいがある佳曲である。また、美樹克彦も基本的に歌は上手い方なので聴いていて心地いいのだ。
確かに、美樹克彦個人のベスト(「ゴールデン☆ベスト」とか)を買えば「紅三四郎」は聴けるが、それ以外(例えば、「回転禁止の青春さ」とか「花はおそかった」といった名曲)に興味がないのなら、このCDを買った方がいい。美樹の歌唱は「紅三四郎」の2曲だけでなく、「わんぱくフリッパー」の日本版主題歌も入っている。贅沢を言えば、「大巨獣ガッパ」の主題歌(超名曲)がない。まあ、これは「ガッパ」のアルバムを是非買ってください。名盤です。
逆に、「ガッパ」を買う余裕がなければ、他の曲に目をつぶって「美樹克彦ゴールデン☆ベスト」を買いましょう。ただし、「わんぱくフリッパー」は収録されていません。