少女小説の王道路線? おすすめ度 ★★★★☆
修道院、足長おじさん、全寮制の女学校、美人のルームメイトの親友、意地悪なクラスメイト、ドレス、舞踏会、謎の王子さま、出生の秘密、お菓子、お料理勝負、魔法のレシピブック、裏の顔を持つ親しい人たち…、少女小説の王道的要素をこれでもか!ってぐらいつっこんでいるのにゴチャついたところはなくてソツなく高レベルに仕上がってました。突出した魅力に欠けるかなと思ったので☆ひとつ減じましたが、アイテム、世界観、文章、キャラ、展開などなど全体的な印象は、主人公の善良さと相成ってすごく良いです。しかし主人公の出生やルームメイトの複雑そうな背景を窺わせる雰囲気など、ほのぼのだけじゃなさそうな空気感もそこはかとなく漂ってます。
アイリス文庫折込のブックレットの紹介には百合表示がなかったので、今後はそちら方面期待が出来るかわかりませんが、今巻は表紙から受ける印象は軽くクリアしていました。ごちそうさまでした。でも『王子様』が出てくるので百合好きな方は過度に期待はしないでください。しかし正体如何によっては……あああ続きが気になる。しばらく追いかけて読もうと思います。
そういう邪な観点を抜きにしても王道の少女小説として楽しめると思います。楽しかったです。
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