当時ビートルズの映画を友人と見に行きましたがその時、一緒にこの映画が上映されておりました。中学生であった私はこの映画の衝撃からビートルズ映画の内容も全て吹き飛んでしまいました。ソルジャーブルーは今でも私の人生で最もショッキングな出来事になりました。合唱。DVDでの再発を強く望みます。
「アメリカの良心」が世に問うた問題作にして大作おすすめ度
★★★★★
70年公開当時、私は劇場で本作を観ましたが、当時の世論にセンセーショナルに迎えられました。あらすじは他のレビュアーに詳しいので割愛いたしますが、自由の国アメリカ合衆国の歴史の暗部・恥部を真正面からえぐり出した本作は、ベトナム戦争での「ディア・ハンター」「プラトーン」と同様、いわゆる「アメリカの良心」を証明する様な大作です。今で言うところのネイティブ・アメリカンがインデアンと蔑称されていた時代、この作品は本国でも賛否両論を巻き起こした問題作でもありました。結婚を機にスクリーンを引退してしまったキャンディス・バーゲンの、お転婆娘の健康的な美も堪能できますが、やはりクライマックスの戦闘シークエンスでの残虐は、ベトナムのそれを思わせる。1960年初頭から1975年まで続いたベトナム戦争。つまり70年作の本作は当時の社会情勢を暗喩もしていたのであります。そうした時代背景をふまえれば、人種差別、狩猟民族ゆえの暴力性、そしてアメリカの正義というものを、観る者の胸に問う名作と言って良いでしょう。
アメリカが見たアメリカおすすめ度
★★★☆☆
この作品は西部開拓におけるネイティブアメリカンと白人の対立を描いた作品だと思います。しかしこの作品での白人騎兵隊は英雄ではありません。白旗を揚げたネイティブアメリカン、シャイアン族の集落を襲い虐殺するなど思わず目を背けたくなるようなシーンもありました。しかしこの作品はアメリカが自国の歴史に真っ向から取り組んだものなのだと思います。シャイアン族と暮らした経験のある白人女性クレスタと、父親や仲間を殺されシャイアン族を憎む若い兵士ホーナスが生き残り、行動を共にする中でクレスタが投げかける問いには、どちらか一面だけの正義が存在しないことを考えさせられました。
重いテーマを扱った作品ですが、クレスタは上品とはいえないもののとても魅力的な女性であり、クレスタとホーナスの暴言だらけのやりとりには思わず笑ってしまいます。