画力がしっかりしてるのでモビルスーツ類の描写が相当に説得力ありますね。絵柄も現代的でガンダムという素材を料理してるのに古びた印象は受けないです。構図のとりかたも抜群に迫力あるものばかりだし、絵に関して言えばこれ以上は望みようもない水準です。
ストーリーの根幹には人間ドラマもあり、なかなかの読み応え。二巻完結なのでやや詰め込みすぎのきらいがあるものの、まだ描き足りないのを必死に指定ページに収めようとしているような作り手の熱を感じました。
主人公が戦場においてなお非常な甘ちゃんであるのですが、この人物造形は好き嫌いの別れるところかもしれません。個人的には大いにありかなと思います。味方が敵に殺されるのですが、安易に復讐には向かわないんですね。そのへんが少年ジャンプ的王道でないというか。復讐完遂のカタルシスに頼らず、あくまで無益な殺戮はしないという。戦場という空間でのアンビバレンツな人間としての葛藤が他の漫画にはあまりないタイプで、それがこの作品の独特の色になってると思います。
登場MSは陸戦型ガンダム、陸戦型ジム、量産型ジム、ジムスナイパー、ガンタンク、ザク、グフ、ドム、ゲルググ。一見すると地味な顔触れですが、それがまたいい味になってます。
同名タイトルゲームのコミック化おすすめ度
★★★★★
現在流行のガンダムカードビルダーの世界観がそのままコミック化したような作品です。
収録内容
OPERATION1 実験部隊(連邦側ミッション)
カナダにおける連邦側陸戦型GM2機ガンタンク1機とジオン側ザク、グフ(共に水中チューン済み)、+マゼラアタック混合部隊との戦闘を描く
OPERATION2 外人部隊(ジオン側ミッション)
ヨーロッパにおける戦闘、連邦側陸戦型GM3機+ビッグ・トレー対陸戦型ザクの戦闘を描く。他に登場するのはドム、グフ、ドダイU
OPERATION3 オデッサ(連邦側ミッション)
オデッサにおけるマチルダ補給部隊の援護中に遭遇したジオン側アッザム+陸戦型ザクと連邦側陸戦型ガンダム、陸戦型GMとの戦闘を描く。
OPERATION0 SIDEA 開戦の時−マット・ヒーリィ−
連邦側主人公が開戦2ヶ月前のオーストラリアでの出来事を描く。
OPERATION0 SIDEB 開戦の時−ケン・ビーダーシュタット−
ジオン側主人公がコロニー公社時代の出来事を描く。
以前期待していたカードビルダーで追加カードで登場!
ガンダムの世界を広げる話。
おすすめ度 ★★★☆☆
ガンダムワールドがこうやって広がっていくのがよく分かりました。
いろいろなエピソードを本編に合わせて展開されていくのは、分かっていながらも楽しいものです。
最前線のアムロのよりも性能の良さそうなガンダムが出てきていても、実験部隊が使っているという事であれば、なんとなく納得できますしね。
なかなか楽しい世界が広がりそうで、これからが楽しみです。