感動はできるおすすめ度
★★★☆☆
いい映画だとは思うが、設定がわざとらしい。
主人公が、幼時に虐待を受け、心を閉ざした天才少年。いかにも、観客を感動させるために脚本家が頭の中だけで作り上げたキャラクターである。実際には、いくら天才であっても、幼時に虐待を受け、劣悪な環境で育った人間は知能が低下し、青年になるまで天才であるわけがない。
また、主人公が就職しようとしないことにも矛盾を感じる。ろくに学歴もなく、肉体労働者として働いていれば、強い上昇志向を持つのが自然である。幼児に受けた心の傷を原因とするだけでは、主人公が就職しないことの説明としては不十分なように思える。
概要
新星マット・デイモンとベン・アフレックが共同で脚本を書き、見事にアカデミー脚本賞をさらったさわやかな感動作である。
ウィル・ハンティングは、生まれつき天才的な頭脳に恵まれながらも、幼児期の虐待のトラウマにより周囲に固く心を閉ざし、荒れた日々を送る青年であった。そんな彼が、ロビン・ウィリアムズ演じる精神分析医マクガイアと出会い、カウンセリングを受け始める。しかし、ウィルの心の空洞は暗く深く、容易に心を開くことはなかった。一方マクガイアも最愛の妻を亡くし、その悲しみから逃れられずに苦しんでいるのだった。
癒されない心をもつ人間同士が、もがき苦しみながらも理解しあい、再生の道に歩みだしていく姿が熱い感動を呼ぶ。マット・ディモンがウィルのナィーブな個性にピッタリで、みずみずしい魅力を放っている。(星乃つづり)