初期のRid of Meのイメージでこのアルバムを聴くと肩透かしを食らうかもしれない。なぜなら、アレンジを最小限に抑えピアノを中核に置いた極めてシンプルなアルバムになっているからだ。収録時間も従来の彼女のアルバムに比べると短い。が、彼女の音楽にあった独特のザラザラした聴き心地は失われておらず、真正面から音楽と向かい合いいいものを作ろうという基本姿勢は何も変わっていない。キートラックとしてはシングルカット曲を除くとやはり#2Dear Darknessと#7のSilenceか。上手くコンパクトにまとめてこれだけの作品を作れるのはさすが。ただ、巷のアレンジされ過ぎた楽曲に慣れたリスナーにとっては受け入れ難い作品かも。シンガーソングライターやアダルトオルタナティヴ、弾き語りが好きな人にはマストアイテム。
雰囲気だけかも?おすすめ度
★★★☆☆
始めに言っておきますが決して嫌いなアルバムではないです。
なんだかんだ言いつつも精神的に落ちてる時に聴いてしまうと思います。
ただ特別何か優れた部分があるわけでもなく,雰囲気頼みのゴリ押しという気も・・・
少なくとも絶賛したいと思わせるものは感じなかったです。
使っている楽器は違いますが,すごくシンプルな構成という点で前作の「Uh Huh Her」が1番近いと思います。
さすがに二作続けてこういうやる気があるんだかないんだかわからないアルバムを出されてしまうのは・・・
ポーリー自身が「私のピークは「Is This Desire?」の時だと思う」と語っていますが,私もあのアルバムが1番彼女のアーティストとしての才気を感じます。
ポーリーにはこういう地味なアルバムではなく,また才気溢れるアルバムを期待したいです。
ついに
おすすめ度 ★★★★★
我らがポーリー嬢が孤高の域に達しました。
いや、恐るべき完成度です。
今回はピアノを全面にだした作品ということで、え?ギターは?ロックじゃないの?
なんて聞く前は色々考えてましたが、聞いて納得。
ポーリーの美しい裏声をたんまりと聞ける、とても素晴らしいシンガーソングライターアルバムになっています。
作風としては
Is This Desire?に近いかと思いますが、表現はさらにピュアで美しくなっています。
プロデューサーが 気心がしれたフラッドとジョンパリッシュ(三人目のプロデューサーはPJ自身)ということも成功に繋がったんでしょう。
この人はアーティストしての軸がなにやってもぶれないからギターだろうがピアノだろうが表現されるのはポーリーそのものだということを実感できた一枚でした。