いかに宗教(キリスト教)が人々の心の核をなすことになったかおすすめ度
★★★★★
キリスト以前の腐敗したローマを中心に描いた巨匠フェリーニの大作です。
1969年の作品故、カラー作品であることは言うに及びませんが、当時として考えても、
映像の構成がとても美しく(部分的には非常に醜く)、話の筋を追わなくとも、ただ見ているだけで楽しめます。
話のプロット的には正直いって、何があるというわけでもありません。
主人公に大きな成長があるわけでもないし、
何か大きなことを成し遂げるわけでもないし、ただただ周りに振り回されながら、
フェリーニの描きたかったところ(場面)へ連れて行ってくれるだけの案内役のような感じです。
フェリーニ作品では個人的に「道」が最高だと思っていますが、
「道」を見た後に同じようなイメージを持って見ることだけはお薦めしません。
フェリーニの才能の幅を感じる作品とでも言うべきでしょうか。
「道」と同じような感動を求めると、もしかするとつまらないと感じる人もいるかもしれません。しかし何といってもこの映像美、そしてこのテーマをここまで描ききったフェリーニの才能に頭が下がるといった感じです。
作品内にキリストという言葉は出てきません。(たしか劇場公開の予告編にBefore Christ)とテロップが出ただけだと思います。
しかし、ある程度西洋史をかじった者であれば、この物語の乱れた世界が後の紀元後の世界に続くと知ったとき、宗教の重要性を感じずにはいられないでしょう。人々が宗教に救いを求め、秩序を保とうとしたり、宗教をもとに争いが起こったりするのもうなずけます。
無理に見ることはお薦めしませんが、上記の内容を読んで関心を持たれた方は見てみてください。見る価値はあると思いますよ。
次々と展開していく話にもビックリしますが、ジトーネさまの流し目もたまりません。おすすめ度
★★★★★
ジャケットでは、あどけない表情でこちらを見る美少年ジトーネさま・・・
クリクリお目目と真っ白なお肌に、思わず目がハート♪
即!DVD買っちゃいました。
主人公のエンコルピオ(マーチン・ボター)が、ライバルであるアシルト(ハイラム・ケラー)に、愛する美少年のジトーネさま(マックス・ボーン)を連れて行かれるシーンから、
物語は始まります。
男性同士の結婚、そして神の子として現れる両性具有の子どもなどなど。
次々と展開していく話にもビックリするけど、やっぱり我が愛しのジトーネさまが、
エンコルピオをチラリと横目で見る時の、あの流し目といったらもう!
たまりません。
まさに酒池肉林っていう感じの宴会シーンも、サテリコンの魅力だろうけど。
ジトーネさまだけをじっくり見るのも、飽きません。
フリフリッとした古代ローマ時代の衣装も、ちょっとSEXY。
ドキドキしちゃます★
これはズゴイ!
おすすめ度 ★★★★☆
ただただ巨匠フェリーニが創り上げた狂乱の世界に圧倒されます。
現代のモラルが通用しない、まさに酒池肉林の饗宴…。
美少年をめぐる男色、両性具有の神の子、そして人喰い。
これでもか!というくらい禁断のテーマを盛り込み、
独創的で退廃的な古代ローマを描き出しています。
欲望と暴力、狂気が入り乱れるショッキングな内容なので、
とても万人受けするものではありませんが、
ハマる人はどっぷりハマる見応えある映画です。
特に極彩色の映像と豪華絢爛な美術は一見の価値あり。
ちょっと前に「本当は残酷なグリム童話」とか、
それと似たような神話モノが流行りましたが、
そういうのが好きだった人にもオススメです。