名盤のリマスター、5.1chのDVDも付属おすすめ度
★★★★★
スウェーデンのプログレッシブ・デスメタルバンド、オーペスの4thのリマスター盤。2008作
今や、世界中で人気を博すこのバンドだが、その彼らの名盤がリマスターで再発、
しかも5.1chミックスのDVD付きというから、これはファンは必携だろう。
個人的には、OPETHの作品の中で最高傑作を挙げるならこのアルバムだし、
今につながる彼らのサウンドは本作をもって完成されたといってもいい。
北欧的な薄暗い叙情と、プログレッシブな展開力、そこに静謐の美を感じさせながら、
本作ではまだメロデス的な要素を残したツインギターも聴けるのも魅力だ。
彼らのアルバムの中でも、次作「BLACK WATER PARK」と並ぶ名作であり、
デスメタルというものを至高の芸術へと押し上げた記念碑的なアルバムでもある。
リマスターにより1音ごとの輪郭がはっきりとなり、名盤がさらなる迫力で甦った。
5.1chミックスの方も素晴らしく、再生環境があるのならぜひ聴いていただきたい。
アコギを多用したクラシカルな作品おすすめ度
★★★★☆
アコースティックギターを多用していることが特徴的。全体的にはクラシックな印象なので聴きやすくシンプルな作品といえる。デスボイスとクリーンボイスの関係も大変シンプル。7曲目に移るまで4秒ほど間があるにもかかわらず、6曲目のアコギ+クリアギターの旋律が音飛びしたように終わるは???
DVDには5.1ch版を収録しクリアな画像、音質で2006年のLIVE VIDEO 「face of melinda」を収録。NTSC,リージョン2で視聴可能。
デジパックはやや大きめでハードカバーの書籍風、表裏見開きにプラベースでCDおよびDVDが納められセンターにブックレットが「綴じ込み」されている。(作りはよい)
至高の名作が、遂に真の完成を見た
おすすめ度 ★★★★★
このアルバムで初めてOPETHを知り、数年経過してからその他全てのアルバムも集め始めましたが、
やはり僕にとって未だにOPETHの作品の頂点はこの「Still Life」であることは変わりませんし、
この先も変わることは有り得ないでしょう。
5.1ch mixのほうは対応機材を所有していませんので、CD-Audioのほうのみの感想です。
Still Lifeと言えば、ご存じ無い方も多数いらっしゃると思いますが、右チャンネルのあまりにも耐え難いノイズです。
普段、スピーカー同士が近い環境で聴いていらっしゃる方は気付かないままかもしれませんが、ヘッドホンで一聴瞭然です。
一度気付いてしまうと、音楽として、作品として、あまりに勿体無い。スピーカーの位置などに気を付ければ聴けないことも無いですが、
ヘッドホン、イヤホンによる鑑賞は到底耐えうるレベルのものではありません。一時期はアルバム自体聴く気が全く失せました。
製作者サイドは誰一人として気が付かなかったのでしょうかね。無礼を承知で言わせてもらえば、「間抜け」です。
淡い期待を込めて再度購入したデジパック盤も、結果は言わずもがなでした。
しかしです。ついにこの日がやってきました。「"完全版"Still Life」が漸く我々の手に届く運びと相成りました。
装丁も素晴らしい。まるで美しい日記帳のようで、単なるデジパックとは一線を画しています。
そして語らなければならない右チャンネルのノイズですが、なんと嬉しいことに聴いた限りでは全て修正が施されております!
もうこれからはこのアルバムを聴くときに、「あぁこれから右が聴き取りづらくなる」などとそわそわする必要は皆無なのです!
感無量です。
リミックスのほうは、あくまで全くの主観ですが、原盤の持つ雰囲気を壊さず、それでいて音それぞれのパワーを増強しており、
原盤に比べて非常に押し出しの強さを感じました。勿論、分離も良く、特にベースと空間の向上は嬉しいものでした。
あくまで原盤の音質に拘り、下手にウィルソナイズされていない点も僕にとっては大きくプラスに働きました。
最初は、よくもこのアルバムをこの仕様でリリースする気になったな、と鼻で笑って馬鹿にしていたものですが、
そりゃ誤魔化しの一切利かない5.1mixまでするんですから、その程度の修正は、当然入りますよね。
でも、どうせやるのなら、もっと早い段階で、CDのみでもやっておいたほうが良かったのではないかと、個人的には思っています。
ともかく、素晴らしい作品の原石が、ベールを脱いでその真価を遂に白日の下に晒したのです。
これほどまでに喜ばしいことは(個人的には)ありません。
墓場まで供に逝くのは間違いないでしょう。