エステ荘の噴水おすすめ度
★★★★★
はるか昔、両親の仕事の関係で海外に住んでいたとき初めて
連れていってもらったコンサートがボレット氏の演奏会でした。
キラキラときらめくような美しい音色に幼いながらに何かに
突き動かされ涙を流したことを覚えています。その曲が巡礼の年第3年の
「エステ荘の噴水」です。本当に美しい曲、美しい演奏でした。
ボレット氏の演奏はひょっとしたらあまり日本人好みではない演奏
なのかもしれませんが、フジコ・ヘミング氏が評価されるようになった
昨今、ボレット氏の演奏を聞いてみるのも良いかもしれません。
そのきらめくような、まさにブリリアントと表現するのが一番しっくり
くる演奏はまさに「リストの曲」といった感じです。
ため息が出るようなCDです
おすすめ度 ★★★★★
このCDの中で、特に'ため息' と 'コンソレーション' そして
'愛の夢3番' がお勧めです!
ボレ特有の、優しく、そして微妙な強弱の駆け引きに長けた
演奏を堪能してください。絶対お勧めです!
クラシックの長所として、他の演奏者との聴き比べがありますが、
愛の夢3番はティボーデ(デンオン版かロンドン版)と
是非聞き比べてください!
若さと希望に満ち溢れた彼の演奏に対し、
ボレは愛する人を優しさで包み込むような大人の演奏、
どちらも甲乙付け難い逸品です!
きっとあなたをクラシックピアノの世界へと導くでしょう。
最後に、'超絶技巧'についてですが、
個人的には6番の'幻影'が好きですが、面白いことに、
私の知人は皆意見が別れます。5番が難曲中の難曲らしいですが、
あなたは何番が好きになるでしょうか?
ボレは柔らかいタッチでまとめ上げていて、
ベルマンの荒々しい演奏や、アラウの切れのある演奏、
アシュケナージのコンピューターのような演奏と比べてみるのも
一興ではないかと思います。