かなり昔の話になりますが私の場合、ドイツ語勉強したての頃、入門レベルの独習書を終了してからこの上下二巻に掲載されている100の大学入試問題をノートに写し、がむしゃらに独和辞典を引きまくり訳文を作り模範訳と比べる作業をして、独検に合格しました。古い本ですが、未だに店頭に並んでいるのは良書たるゆえんでしょう。学習者のレベルに合わせて色々な使い方が出来ると思います。入門書を終えたばかりの初心者には、私のやったような「がむしゃら」方式は、結構力がつくんです。中級者以上の方なら、本書の特徴でもある、豊富で詳しい注釈、ポイント、訳文、補説、表現法の研究をしましょう。例題がやや古くなっているのが難点ですが、ドイツ語中級学習者にとって誠に頼りになる上下二巻です。
読む秘訣おすすめ度
★★★★☆
この本の良い所は、以下の点でしょう。
1 収録されている独文が短いこと。
2 収録されている独文が実際に出題された大学入試問題であること。
3 大学入試の問題なので、良問が多いこと。
4 注が付いていること。
5 解説等が詳細であること。
このような、高品質なテキストはそう多くは見当たりません。
ドイツ語を学び始める人の多くは、大学入学後でしょうが、そこである程度文法的基礎を学んだあと、自らドイツ語を発展させたいという人には、とっておきのテキストです。
大学院入試で、ドイツ語が課されても、この位のレベルの文章がある程度読めれば、大きな問題はないでしょう。
ただ一つの難点は、古いということです。できれば、改訂していただいて、より現代的な文章を収録されることを期待したいものです。
本気で、ドイツ語の文章を一人で読みたいという方、是非このテキストを購入して、解釈の秘訣を学び取り、ドイツ語を読む面では習得しましょう。