暗君と名君をわけるもの おすすめ度 ★★★★★
シリーズ15巻は、吉宗とその経済政策についてです。吉宗と言えば、「暴れん坊将軍」(もちろんフィクションですが)で有名ですが、世間の相場はどちらかと言えば、「名君」に偏っていると思います。
もちろん、彼が暗君であったとは言えませんが、こと経済政策については、「素人以下」であり、そこで同じ徳川家の中で、「政争」とも言える争いがあったことなどは、歴史の教科書に載っていません。そしてその経済音痴となった根本的原因に、「儒教」の教えがあることが論理的に解説されています。「儒教」にここまで負の側面があったことなど、学校では教えないはずですが、このような宗教問題を理解出来ないと、現在の政治・経済の諸問題を正しく理解出来ない事が本シリーズでは繰り返し力説されていますが、それをここまで綺麗に解説出来るのは著者だけと言っても良いのかも知れません。
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