少年時代の優しく純真なイグナシオとその後の対比が非常に切ない!しかし映画監督である主人公は映画を撮れば生きてゆけるのです。ラストに呪いのように繰り返されるpassionの文字はアルモドバルの宣言なのでしょう。自分の仕事をこのように捉えられるのはおそろしくもあり、うらやましい。とか言ってハッタリだったりして。
妖艶なガエル君の映画をまず観てください♪おすすめ度
★★★☆☆
映画は見に行ったのですが、少々わかりにくい部分があったのと、
ガエル君の写真がついていたので、思わず買ってしまいました。
映画の台詞そのままなので、翻訳ものにありがちな変な日本語とかはありません。
映画の雰囲気も崩さないので、イライラ感もありませんでした。
読みながら、映画を見たときのガエル君の演技を思い出しながら、
読めるので、まぁまぁいいと思います。
ただ、やはり、あの妖艶なガエル君は本だと伝わらないので、
映画を絶対に観て欲しいです。
とっても危険な異文化への誘い
おすすめ度 ★★★★★
書店をふらふらしていると、視界の端に真っ赤な本が、引っかかった。ふと、振り返ってよく見ると、ガエル・ガルシア・ベルナルが真剣な眼差しで私を見つめている。おもわず本を手に取り、ページをめくってびっくり、彼が女装???メキシコの貴公子が???本にさっと目を通すと、美少年同士の恋。しかも、スペインはペドロ・アルモドパル映画監督の一部自伝とも。そく購入決定。男子寄宿学校での2人の少年の真剣な恋。そこに文学の教師であり、校長先生でもある神父がソプラノ・ボイスを持つ、その中の1人の少年に恋し、恋敵である少年を退学させる。なんと衝撃的であるか、モホセクシャル、カトリック教会のスキャンダラス。そして数年後、映画監督として名声をつかんだエンリケの前にかつての恋人で神父がそっと恋したイグナシオが現れるが、今や売れない俳優である。彼は自分の書いた小説「訪れ」を映画にしてくれるように頼む。その作品に興味を持ったエンリケは映画化を決定するのであるが・・・。話は2転、3転と展開してゆき、まるで推理小説を読んでいるかの錯覚におそわれる。最後の展開には吃驚!エンリケにとって映画を撮り続けるのは情熱であり、情欲であり、苦痛であり、キリストの受難である。この言葉は、実際にアルノドパル監督が痛感していることなのであろう!すばらしい!、すごい!というかすさまじい!作品であった。