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吉村作治×三浦朱門×曽野綾子 1/3
言い残された言葉 |
読後にこれほどの充足感と痛快感を味わえたエッセーは、数年来記憶に無い。冒頭からスロットル全開の著者の論調に引きずり込まれ、それが最後まで続く。以前抱いていた著者に対するイメージが、本作で変わった。
家族で囲む食卓の重要性、同性結婚、海外でブランド物を買い漁る若者達、新聞の流行語等々、扱う題目の範囲は広い。「ふむふむ、なるほど」と初めは一般的通念に導くようにみせかけつつ、実は「えっ!?そう来たか」とこちらの思慮浅い考えをあっさりと覆す、深く時に手厳しい洞察が披露される。そして、「さぁ、次はどう来る?」と、どんどん先を読み進むことになる。 前半部分のコメント、「これほどの繁栄の中に、これほどの精神の貧困が到来したことが、私は単純に不思議でならない」に、本作のテーマが凝縮されているような気がするし、「まさにその通り」と痛感する。 井形慶子著「日本人の背中」(サンマーク出版)に続いて本作を読んだせいか、本作の素晴らしさが一層際立った。日本人の特性を褒めるにしても自己批判するにしても、常に海外からの視点におもねて付和雷同な意見に終始する井形に対し、本作は何と気骨にあふれ、芯を食った洞察に満ちていることか。自身の海外体験談が豊富に引用されている事がわずかに両者で共通した点だが、それらの解釈の仕方や持論の展開に、隠しようもない著者の器の違いを感じる。 脱帽。 |
沖縄戦・渡嘉敷島「集団自決」の真実―日本軍の住民自決命令はなかった! (ワックBUNKO) |
コツコツと関係者にインタビューを試み、証言を集めている姿勢は好感が持てる。そのような取材を行っていたメディアが少なかったという事実がある以上、本書は一読の価値がある。
内容は赤松隊長が直接自決命令を出したかの検証が中心である。ただ、軍の手榴弾が多数民間人に渡ったこと自体がまず大きな問題であり、当時の日本軍の軍規から考えても武器及び部下の管理責任は隊長にあることから、「住民に対して後ろめたい気持ちはひとつもない、という赤松氏の発言もかなり妥当性のあるものになって来る」とまで述べている主張については議論を要する。 また、集団自決の背景を探るには、軍が駐留していない島では集団自決が発生していないという事実についても比較考察すべきだ。 赤松隊が丸腰の女性含む複数の民間人を殺害したことにも触れているが、頁数の大半が殺した側の言い分とその解説に割かれている。また、犠牲者への謝罪証言が当事者側に見られないのは残念だ。米軍に保護されて降伏を勧めるために来た人は、食べ物やチョコレートをくれる米軍は日本軍の喧伝とはずいぶん違っていたことを身をもって理解していた筈だから、それを信じてもらえずに殺されて無念であったろうことは想像に難くない。しかし、そのような死に追い込まれた被害者に対して「日本国民としてあるまじき卑怯な行為をした、というふうに、思い始めたからなのだろう」としている点には違和感がある。 「常に沖縄は正しく、本土を少しでもよく言うものはすなわち沖縄を裏切ったのだ」としている説についても、沖縄が戦場になり大きな犠牲を出した史実を直視した上で、それぞれがよく考えてみるべきだ。 戦争の悲劇の原因は現場部隊だけにあるものではないし、本書の中の証言間にも矛盾があるように全ての追求は難しい。ただし、軍の手榴弾で集団自決があった点や、軍が直接殺した人達もいたことは大きな事実であるのに、一部著作の不備を突くことと、集団自決については命令していないと言っているという一点を強調することで責任があるとはいえないという結論にまで導く論法が正しいかは意見の分かれるところだ。 著者は自分の意見をはっきり持っているが、多くの素材を提供してくれてもおり、他の資料にも触れた上でそれぞれが主体性を持って読むべき書である。 |
思いがけずこんな 曽野綾子 を夢で見た・・・!
デビュー10周年を迎えた 曽野綾子。「新くびれの女王」とも呼ばれる彼女が抜群のプロポーションを保つ秘訣は岩盤浴。
ただし、これは笑いを取るための安っぽい企画モノなどではない。どれも大真面目に力の限りを尽くして制作された脱力作品集なのである。よーく聴いてみれば、抜群のアレンジセンスと演奏力に驚く。さすが、百戦錬磨のクセ者集団バンバンバザール! なのだ。
実にすばらしい。こりゃまさに、
『 妻を選ぶのはネクタイを買うのとよく似ている。選んだ時は素敵に見えるが、家に帰って首に締めてみるとがっかりする。 』( ジョイ・アダムス )
と。どーゆーこっちゃ。。
種ができた?
やはり少しは勉強すべしと思えど、そう、どうしてもエッセイなどに手が伸びる。ということで、先週読んでたのは、曽野綾子著「緑の指」。曽野綾子さんは、東京と三浦の崖の上でそれぞれ植物を育てている。崖の上ということは、海沿い。...
『青春の構図』曽野綾子
曽野綾子さんといえば『キリスト教』の. イメージがなんとなく強くて、. あまり読んだことがありませんでした。 でも、この本は宗教色があまり濃くなくて. とても読みやすかったです。 両親を早くに亡くし、大学生の若さで ...
部族虐殺 曽野綾子
部族虐殺―夜明けの新聞の匂い (新潮文庫)曽野 綾子Amazonランキング:197311位Amazonおすすめ度:Amazonで詳細を見るBooklogでレビューを見る by Booklog 身体も心も疲れている時に読んだので、救われた気がします。
曽野綾子が「諸君!」連載原稿に書き加えたもの……。
曽野綾子が「諸君!」連載原稿に書き加えたものは、そんなに多くないが、中でも目をひくのは、前回も書いたが、大江健三郎と大江健三郎の『沖縄ノート』の中の「罪の巨塊(巨魁)」記述に関する曽野綾子の批判の部分だが、それに追記、あるいは補強するよう ...
「曽野綾子『諸君!』連載原稿」の「改稿問題」について。『諸君!』連載 ...
に連載された「ある神話の背景」の雑誌原文、つまり「曽野綾子『諸君!』連載原稿」を丁寧に読んでいくと、驚くなかれ、肝心の大江健三郎の名前が何処にも出てこないどころか、例の「罪の巨塊(巨魁)」発言にまつわる曽野綾子の大江健三郎批判の記述が何処 ...
曽野綾子は、何故、「罪の巨魁(巨塊)」問題について、一言も反論出来 ...
■コメント欄■ 曽野綾子は、何故、「罪の巨魁(巨塊)」問題について、一言も反論出来ないのか? 図星だからだろう。とは言いながら、この問題について、徳永信一、小林よしのり、池田信夫等は、雑誌編集部の校正ミス、あるいは引用者のミスというこで、 ...
曽野綾子は、何故、鬱病になったのか?
三浦朱門の「妻・曽野綾子はうつ病に罹った時」とかいうエッセイを、今月号の「文藝春秋」(2008/8)で読んだが、それによると、曽野綾子の「鬱病」の発症時期とその回復のタイミングが、「沖縄集団自決取材」開始の時期と微妙に重なっていることがわかる。 ...
曽野綾子は、何故、「罪の巨魁(巨塊)」問題について、一言も反論出来 ...
曽野綾子は、何故、「罪の巨魁(巨塊)」問題について、一言も反論出来ないのか? 図星だからだろう。この問題について、徳永信一、小林よしのり、池田信夫等は、雑誌編集部の校正ミス、あるいは引用者のミスで済ますつもりようだが、一箇所か、二箇所なら ...
「言い残された言葉」曽野綾子先生著
曽野綾子先生の作品に、先程書いたばかりの「文は人を表す」を痛感。 曽野先生ならではの人生の歩みが、先生が...
日本財団の会長に曽野綾子就任
日本財団の会長に曽野綾子就任笹川良一の後を継ぎ、日本財団の会長になったのが作家の曽野綾子であった。 曽野は聖心女子大学卒業で「遠来の客たち」が芥川賞候補となり23歳で文壇デビューして以来常に第一線で活躍してきた。 一方で、臨時教育審議会委員 ...